「住み慣れた家で、できるだけ長く暮らしたい」——そんな願いを支えるのが訪問介護の役割です。けれど今、その大切なサービスが、静かに、しかし確実に揺らいでいます。
・報酬の見直しがもたらした現場の混乱
最近の制度改定で、訪問介護の基本報酬が引き下げられました。全体の介護報酬は引き上げられたにもかかわらず、訪問介護だけが減額されたのです。
その背景には「利益率が高い」という見方があるようですが、実際には地域密着型の小規模事業所では、赤字続きで人材確保にも苦しんでいるところが少なくありません。大手事業者の収益と一括りにされてしまい、現場の実態が反映されていないという声も聞かれます。
・利用者の生活に直結する“見えない影響”
報酬が減ることで、事業所の経営はますます厳しくなり、閉鎖や縮小が相次いでいます。その結果、利用者がサービスを受けられなくなったり、遠方の事業所に頼らざるを得なくなったりするケースも出てきています。
特に地方や交通の便が悪い地域では、訪問介護が唯一の支えという方も多く、サービスの後退は生活そのものに直結します。
・政治の対応は?各党の姿勢を探る
この問題に対して、市民団体が各政党に公開質問状を送りました。回答を見ると、対応の温度差が浮き彫りになります。
一部の政党は「報酬の再改定を早急に行うべき」と明言
他の政党は「処遇改善加算で補える」として現状維持の姿勢
回答を出さなかった政党もあり、関心の度合いに差があることがうかがえます
介護保険料は誰もが支払っているもの。だからこそ、政治がこの問題にどう向き合うかは、私たち一人ひとりの生活に関わる重要なテーマです。
・現場からの声と、今後の展望
訪問介護の現場では、こんな声が上がっています:
「人が足りない。報酬が減って職員を食べさせていけない」
「高齢の職員が多く、若手が入ってこない」
「このままでは事業が続けられない」
こうした声に耳を傾け、制度の見直しや支援策の強化が求められています。自治体によっては、独自に支援金を出す動きも始まっていますが、全国的な対応には至っていません。
・介護の未来を守るために
訪問介護は、単なるサービスではなく、地域の暮らしを支えるインフラです。報酬の見直しは、経営だけでなく、利用者の安心やスタッフの働きがいにも影響します。
これからの介護を持続可能なものにするためには、政治の責任ある対応と、私たち市民の関心が欠かせません。選挙の一票も、こうした現場の声を届ける手段のひとつです。






