皆さんは「フレイル」をご存じですか?「フレイル」とは、加齢によって心身が老い衰えた状態で、生活の質や健康に影響を与える状態の事を言います。具体的には、身体的・精神的・社会的要素が影響し、心身のストレスに脆弱になった状態を指します。高齢者は徐々に身体的機能や認知機能が低下する過程にある段階で、「フレイル」と呼ばれます。この状態は「健康」と「要介護」の中間に位置し、適切な治療や予防によって改善できることがあります。フレイルの原因は身体的、精神・心理的、社会的要素に分けられ、運動器の障害や孤独感などが影響します。早期発見と積極的な介護予防が大切です。
ペットボトルのふたがうまく開けられない…そんな症状がでたら要注意…フレイルの可能性があります。
暑さでもフレイルに陥る事があります。
通常は加齢によって陥ることが多いですが、各地で災害級の猛暑が続くこの夏、“暑さ”によって外出の機会が減ることで、若者でもフレイルになるリスクが高まるといいます。
身体機能的に運動量が減ってしまうことで、脆弱性(フレイル)に陥ってしまうというリスクは、高いのではないかと思います。
暑さで家に引きこもることで活動量が減少、活動量が減少すると食欲が低下…
食欲が低下すると、痩せて筋力量も落ち、筋力量がないとさらに外に出なくなるという悪循環を生むのです。
フレイルで通院する患者さんも、暑さによる運動不足に悩んでいました。
若い方も筋力が落ちている方が多くて、今、コロナの影響で運動する機会がなくなってしまって、さらに今年はすごく暑いのでそれでますます外に出る機会がなくなってしまって、筋力が非常に落ちている人が多いそうです。
自分が「フレイル」なのか否か、判断するには「歩き方」を見るのが大切だといいます。
・体の左右のふらつきが大きい
・歩行速度が遅い
・手の振りが少ない
・足が上がらずすり足
・歩幅が狭い
このような歩き方をしている場合、注意が必要です。
また、歩き方は自分で判断するのは難しいという場合は、以下のチェック項目に○が3個以上あると「フレイル」、1個以上でもフレイル予備軍(プレフレイル)となります。
・疲労感:わけもなく疲れる、体がだるい
・筋力低下:ペットボトルのフタが開けられない
・体重の減少:6カ月で2kg以上の減少
・歩行速度低下:信号が青の間に横断歩道を渡れない
・運動習慣の減少:週1回程度の運動を行っていない
参考までに。
どんな方でもなりうる可能性があるので、チェックしてみてはいかがでしょうか?
フレイルは、介護が必要になる前の段階ですが、定期的な運動やバランスのとれた食事の予防、持病のコントロール等の治療する事で健康状態に戻る可能性はあります。もちろん何もしなければ心身ともに機能の低下が進み要介護状態になるリスクが高まります。そうならない為にも加齢による変化を意識ししっかりと予防していく事が重要です。